必要な睡眠時間は人それぞれ
人間に必要な睡眠時間はどのくらいでしょうか。人は一日に8時間寝なければならない、と考えている人が少なくありません。そう信じている人は、自分は6時間しか寝ていないから睡眠不足だと言います。実は、人間が必要とする睡眠時間は「一日8時間」だという説には、まったく根拠がありません。
統計的に、日本人の平均睡眠時間は、7〜8時間の人が約35%で最も多く、8〜9時間が約25%、6〜7時間が約20%だと言われています。「一日8時間説」は統計の結果、8時間程度寝ている人が一番多かったということに過ぎず、言わばひとつの思い込みに過ぎないのです。しかしこの8時間説は、睡眠に関してもっとも根強いひとつの常識になってしまっています。ぐっすり熟睡するためには、まずこの常識を忘れてしまいましょう。
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もちろん、8時間寝るとスッキリして調子がいい、という人はいます。でもそうした人ばかりではありません。必要とされる睡眠時間は個人差が非常に大きく、年齢、性別、季節、生活環境、職業などによって変わるのです。5時間で十分な人もいますし、逆に10時間は寝なくては、という人もいます。また、同じ人でも生活環境によって睡眠時間は変わります。
一般的に、11月から12月にかけて睡眠時間は少しずつ長くなり、真夏の7月、8月は一年でもっとも睡眠時間が短くなります。太陽が出ている時間の長さが短いと、それだけ人間は眠る時間を増やす。この基本パターンは人類の歴史上おそらくずっと変わっていません。
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歴史上の人物で見てみると、よく知られているようにナポレオンは一日3時間しか寝なかったと言われていますが、一方でアインシュタインのように10時間の睡眠が必要だった人もいます。つまり、人間に必要な睡眠時間は人それぞれであり、一律に○時間寝るのが正しい、といった明確な基準はないのです。ですから、8時間寝ていない自分は睡眠不足に違いない、などと悩むことは非常にばかばかしいことなのです。
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8時間必要な人が6時間しか寝ていないのならば、睡眠不足によって体調不良が続いているかもしれません。また、4時間で十分な人が6時間寝ていたら、睡眠時間を多くとりすぎていてかえって非効率かもしれません。週ごとに睡眠時間を変えて実験してみるなどして、自分にとって無理のない睡眠時間はどのくらいなのか、正しく把握することが大切です。
目覚まし時計を使わずに自然に気持ちよく起きられて、心身ともに充実した生活を送れるのであれば、それがあなたにとってベストな睡眠時間だということになります。
一番簡単な方法は、起きる時間を一定にして、寝る時間を30分単位で変化させることです。日中に眠気を感じずに快適に過ごせたら、それがあなたにとっての最適な睡眠時間です。
ちなみに赤ちゃんは一日に16〜20時間程度眠りますが、成長するにつれて少しずつ睡眠時間は短くなります。学校に行く年齢になると社会的な制約もできて昼寝をするわけにはいかないこともあり、昼に起きて夜眠るという睡眠パターンがだんだん身についていきます。
30代後半ぐらいから、年齢とともに睡眠時間は少しずつ減っていきます。老人が朝が早く、眠りが浅くなることはよく知られています。
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